官民共創インタビュー【自治体編】生駒市×ワイヤレスゲート 子育て支援施設のDX化プロジェクト

生駒市

逆プロポ第2弾プロジェクト『生駒市×ワイヤレスゲート 子育て支援施設のDX化プロジェクト』に携わった生駒市の職員の皆さまに、本プロジェクトの手触り感を伺いました。

 

『生駒市×ワイヤレスゲート 子育て支援施設のDX化プロジェクト』の概要

生駒市が持ち寄ったもの 子育て支援総合センター内の各種アナログ業務を「改善の余地がある」と旗を立てワイヤレスゲートに提案。利用者に向けて、実証実験の周知活動と協力要請。事後アンケートによる真の住民ニーズの把握。
ワイヤレスゲートが持ち寄ったもの 通信企業の強みを活かした技術力やシステム開発力で、自治体の求めるセキュリティ要件を満たしたWebシステムを開発。他、市の子育て支援施策に向けた寄附金。
プロジェクトの概要 ワイヤレスゲートが『「本来あるべき理想の姿」と「現状」のギャップ(課題)』というテーマで公募し、それに対して生駒市は『子育て支援総合センター「みっきランド」の入退室受付や記録業務』という課題を挙げた。そこから両者で協議を重ね、ワイヤレスゲートは市の求めるセキュリティ要件を満たしつつ、二次元バーコード機能を活用した入退室管理業務や、これまで紙台帳で管理されていた業務日誌のDX化を行い、官民で実証実験に臨んだ。
実施期間 2021年7月〜2022年1月
担当課 生駒市子育て支援総合センター

本プロジェクトの進め方については、こちらの記事をご覧ください
https://gyaku-propo.com/casestudy/220316/

 

業務のデジタル化に対する感触

 

今回のプロジェクトで生駒市は、「子育て支援施設のDX化」というテーマでワイヤレスゲートとシステム開発を共創し、実証実験を行いました。まずは、現場の担当者として関わった率直なご感想をお聞かせいただけますか?

 
 

今回の実証実験を通して、職員の中にも新たな発見や、今までになかった視点が生まれました。業務のデジタル化に対して、職員の意識を変えるきっかけをいただいたと思っています。

 

逆プロポに応募した時点では、「DX」という概念をしっかり理解できていなかったように思います。しかし、ワイヤレスゲートの方と意見交換を行う中で、「どうしたら利用者の負担が減るのか?」「どうしたら、職員の業務が効率化できるか?」ということを深く考えるようになりました。

プロジェクトは実証実験を行った時点で終了しましたが、これを機に、書類ベースだった業務を「PCにて行いませんか?」と提案しやすい環境になったことは大きな変化でした。

業務のデジタル化に対して、職員が以前より前向きに捉えられるようになったのではないかと思います。

 

 

実証実験で見えた「前向きな不満」

※実証実験のみっきランド受付DX化の様子(出典:生駒市)

 

 

今回のプロジェクトはTV局にも取り上げられました。よって、実証実験に参加した利用者の注目度も高かったのではないかと思うのですが、実際の反応はいかがでしたか?

 
 

おっしゃる通り、多くの方にご関心を寄せていただきました。実証実験の1週間前から「みっきランド、IT化やってみます」といった内容のポスターを施設内に貼り出していたこともあり、実証実験には利用者の9割以上、230名ほどの方にご参加いただきました。

想像以上にたくさんの利用者様にご参加いただいて、本当に感謝していますし、関心の高さも理解できました。

実証実験後のアンケートには、53名の方にお答えいただき、「入退室の手間を軽減できましたか?」の質問に対して6割以上の方が「はい」と答えてくださいました。

その他、実証実験を行ったからこその気づきや新たな発見があったことも大きかったです。

 
 

その「気づき」や「新たな発見」とは、どういうものですか?

 
 

具体的には、今回のシステムに対する「前向きな不満」でした。

従来のみっきランドの入退室は、専用の用紙に手書きで記入するという形式です。それを二次元バーコードでデジタル化することにより、利用者の負担は減って、私たち職員の業務も省力化されるとの仮説で、今回の実証実験を行いました。

しかし、実際に実証実験を行ってみると、お子さんを抱っこしつつ、たくさんの荷物の中からスマホを探し出して二次元バーコードを読み取る、という一連の作業が、小さい子ども連れの親御さんには想像よりも大変な作業なのだと気づきました。

みっきランドの職員のほとんどは、子育てがひと段落してます。 今回の実証実験を通じて、現役で子育てしていらっしゃる親御さんの現状を間近で感じることができたのはよかったです。

 

 

変化を受け入れられる環境に少しずつシフト

 

 

民間企業とディスカッションしながら何かを創り上げることは、自治体の方にとって、日常業務ではないと思います。そういったプロセスに対する戸惑いなどはありましたか?

 
 

特に違和感は覚えませんでしたが、オンラインでの打ち合わせがメインでしたから、その場の空気感の共有が難しく、「これからどう進んでくのだろう?」と戸惑う場面はありました。

 
 

自治体での個人情報の取り扱いの厳しさに、ワイヤレスゲートの方が頭を悩ませている様子が伺えました。

時間も限られる実証実験において、どのような条件で実施するのが良いか議論を重ねました。

今回は「インターネットを介さないこと」がシステム要件になりました。その条件下で、できることを模索していくのに苦労が伴ったのではないかと思います。

それでも、今回の実証実験を通して、小さくでもやってみたから得られる気づきがある、というのが実感できたのではないかと思います。

 

 

官民共創の「リアル」を確認できた

 

これまでのお話から、今回の実証実験が生駒市にとって、一歩前に踏み出すきっかけになったような印象を受けるのですが、実際にそういった実感はありますか?

 
 

今回は実証実験のみでしたので、正直なところ「デジタル化」という面ではあまり前に進めた実感はありません。ただし今回は「実証実験を経た結果、従来通りのやり方を採用する」と決めたこと自体に意味があると思っています。

「デジタル化」と聞くと、さも魔法のように「あんなこともできる、こんなこともできる」と期待感を持ってしまいますが、実際はあらゆる制約条件を考慮する必要があります。ですから、「そんなに簡単なものではない」と気付けたこと自体に意義があります。

それから、とにかく何でもデジタル化をすればいいという話ではなく、「人が担った方が臨機応変に対応ができて良い」という部分も見つかりました。そういった区別ができたことも一つの収穫でしたね。

 
 

今回は生駒市とワイヤレスゲートの2者間で打ち合わせを行う場面が多かったですから、意見のすり合わせにおいて戸惑う場面もあったかもしれませんね。

ただ、違う文化や考え方の人と交流することによって、いろんな刺激になったり、原点に立ち返ることもあるでしょうし、何よりも現場の方々が、新しいチャレンジに対して検討できるきっかけ作りになったことは、非常に良かったのではないかと思います。

 
 

本当にその通りで、職員みんなで問題意識を持って、主体的に利用者のためにどうすればいいのか?を考えることができるようになりましたし、皆で同じ方向を向けたことが一番の成果だと思っています。

 
 

今回の子育て支援総合センターの課題は、逆プロポのようなサービスでないとなかなか出しづらいテーマだったと思います。

確かに、ワイヤレスゲートの方との協業では、お互い少し遠慮したり、どのようにプロジェクトを進めるのか見えづらい場面があったことも事実です。

しかし今回、外部の方と一緒に検討することで、職員やスタッフが同じ方向を向いて進めるようになったことは、大きな成果です。

このような前進は、逆プロポのようなサービスを活用して取り組んだからだと感じています。

 
 

今後、官民共創で今回のような実証実験を行う際には、庁内への話の通し方や対応の仕方、現場との連携などが、より円滑に進められるのではないかと思います。

 

 

今回のプロジェクトを通じて伝えたいこと

 

最後に、他の自治体の方にメッセージをお願いします。

 
 

いつかはどの自治体も、官民共創に取り組む必要性がでてくるのではないかと推測されます。それを始めるのが、切羽詰まってからでは難易度が高いのではないかと思います。

ですから、課題感のあるテーマで小さく始められる逆プロポのようなサービスは、今の自治体にとってすごく魅力的だと思います。

 
 

「まずはやってみる」というところにどれだけの価値を見出せるか、というところが鍵だと思います。

1回目でうまくいくこともあれば、10回目でもうまくいかないかもしれません。こういう風土を自治体組織の中に取り入れていって、新しい風が吹けば、成功への道も拓けるのではないでしょうか。

 
 

「実験」することに対してとても勇気が必要でした。

しかし、今回逆プロポの仕組みを利用してワイヤレスゲートさんと実証実験をしたことで、「試しにやってみる重要性」を実感しました。

試しにやってみて、ダメなら元に戻したり、他の手段を考えることもできます。結果的に課題がたくさん出てきたとしても、今回の私たちのように得るものはたくさんあります。

繰り返しになりますが、今回のプロジェクトがきっかけで、職員の意識が変わったことは本当に良かったと思っています。

 
 

本日は貴重なお話をどうもありがとうございました!

 

 

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子育て支援総合センター「みっきランド」の入退室受付や記録業務のDXプロジェクト。市の求めるセキュリティ要件を満たしつつ、二次元バーコード機能を活用した入退室管理業務や、これまで紙台帳で管理されていた業務日誌のDX化を行い、官民で実証実験に臨んだ。

寄付金額

60万円

採択された自治体:生駒市

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